健康にいい食事は何ですか?年齢や性別、体型、健康状態によって注意すべき食事内容は異なりますので、万人にとって健康に良い食事を語ることは不可のです。とはいえ「健康に良い食事」について知りたい人は多いと思いますので、科学的根拠、エビデンスも加味し、「健康に良い食べ方」と「健康に良い食べ物」を6項目ずつギュッと凝縮してお伝えします。今回は健康に良い食べ方から。
①3食、きちんと食べる
日本人の100歳以上の長寿者を対象にした研究では「1日3食、きちんと食べる人」が9割。3食、しっかり食べている人の方が長生きするようです。1日2食、1食にすると、必要な栄養素をとることが難しくなります。
②バランスよく、必要な栄養素を摂取する
皆さん「ダイエット」が好きですが、「軽度の肥満」よりも「やせ」の人の方が、病気リスク、死亡リスクは高まります。私たちが健康を維持するには、糖質、脂質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなど、1日30種類以上の栄養素をしっかり取ることが必要です。健康な食事法は、カロリー制限、食事回数を減らすことではなく、「必要な栄養素」をしっかり取ることです。
③よく噛んで食べる
よく噛んで食べることで、ダイエット効果、嚙む力が維持され虚弱、認知症予防効果が得られます。
④健康に良い調理法、悪い調理法
高温で調理された「揚げ物」はタバコと同じくらい健康に悪いと言われます。具体的には、フライドポテト、唐揚げ、トンカツなどで、どれもおいしくてクセになりますね。揚げ物はカロリーが高いだけでなく、ビタミンや必須アミノ酸、脂肪酸など、必要な栄養素が高温により劣化、破壊されます。とはいえ揚げ物が好物の人は多いと思いますが、できる限り制限したいものです。
栄養素を破壊しない調理法ということで「生」が一番良く、次が「蒸す」です。栄養素を食材に封じ込めながら過熱できます。そして、「煮る、ゆでる」になります。汁も一緒にいただくと、栄養素も逃さず摂取できます。
⑤糖質適正
糖質制限は健康に良いのか、悪いのか?という議論があります。アメリカで45歳~64歳の約15,000人を25年間追跡したところ、総摂取カロリーに占める炭水化物割合が、50%~55%のときに最も死亡率が低く、それより多くても少なくても死亡率が高まるという結果が出ました。外食が多い人、肥満傾向の人は糖質過多の可能性が高いので、糖質適正を意識してください。 また、糖質は「どれだけとるか(量)」以上に、「どんな糖質をとるか(質)」も重要です。健康に悪い糖質は「缶コーヒー、清涼飲料など」、 白砂糖は糖質爆弾です。「砂糖の多く入ったお菓子」類も、できるだけ制限したいものです。
⑥サプリメントではなく、食品から栄養を摂取する
サプリメントの栄養素は工場でつくられた化学物質なので、同じ量の栄養素であっても、食品と比べて活性度が著しく低い。リンゴの抗酸化力は、ビタミンCサプリメントの263倍という研究もあります。ビタミンCサプリを飲むより、リンゴを皮ごと4分の1個食べたほうが、何倍も健康に良いのです。
とはいえ、私たちが必要な栄養素を、すべて摂取することは困難です。原則、栄養素はリアル食品からとるべきで、サプリメントはあくまでも「補助的」と理解しましょう。